アトピー性皮膚炎と食べ物アレルギー(私見 )  

 080511 102911

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食べ物アレルギーは、アトピー性皮膚炎幼児に合併し易い病気とされています。
一般的には、幼児期にアトピー性皮膚炎の稀なものの原因に1つと理解されています。
私は、
食べ物アレルギーアトピー素因の似たものであり
花粉症の季節に
アトピー性皮膚炎が悪化する様に食べ物アレルギーアトピー性皮膚炎
悪化因子つだと考えています。

食べ物アレルギーの症状は多彩で、下痢・嘔吐・腹痛・せき・呼吸困難・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・発熱・頭痛、むくみ・さらには、
神経症状を示す場合さえも、あります。
皮疹の多くが、
蕁麻疹アナフィラキシー様の中毒疹湿疹として現れます。
食べ物アレルギーと言っても皮膚の症状を伴わない無いことも珍しくありません。
           花粉症との相似性

花粉症の大半は、スギ・ブタクサ・ヒノキ・ヨモギ・イネ科の植物などが原因です。
食べ物アレルギーも稀に珍しい抗原に反応する人もいますが、
多くの人が、卵・ミルク・小麦・大豆などを原因で起こります。
多くの人が
反応し易い抗原が存在することが似ています。

花粉症と食べ物アレルギーの異なる点は、
花粉症は成長と伴に
発生頻度が高くなりますが、
多くの
食べ物アレルギーは、成長と伴に慣れが生じ
(関連:
経口脱感作・腸管の発達など)徐々に発生頻度が少なくなります。
稀な場合として、成人でも
食べ物アレルギー残る場合もあります。
原因の食べ物の種類に依って慣れが生じにくいものものがあります。

多くの花粉症が即時型反応で起こっているのと
同様に
食べ物アレルギー即時型が主体で起こっているので
比較的
RASTの値に一致することがありますが、
食べ物アレルギー遅延型アレルギー主体で起こっている場合は、
血液検査(
RASTIgE)の値は参考程度にしかなりません。
即時型+遅延型反応の場合も存在すると思います。
遅延型アレルギーが主体で起こっている場合は、下記との区別が難しいと思います。

 別の推論

花粉症の季節に
アトピー性皮膚炎が悪化する場合と
同様に
食べ物アレルギーの影響でアトピー性皮膚炎を悪化させている
可能性があると説明してきましたが、
アトピー性皮膚炎SDD(h)に含まれる皮膚病とすると
この現象は理解し易いと思います。

 

ある小児科医の意見

食べ物アレルギーは決して皮膚症状だけではありません。
食べ物アレルギーのある子の部分症状としてアトピー性皮膚炎を呈することがあります。」が小児科医の印象です。
食べ物アレルギーのある子はアトピー性皮膚炎を呈することもあり、
蕁麻疹や軽いアナフィラキシー様の中毒疹を呈することもあります。と
言う意見なのです。

コメント 小児科医としては、「食べ物アレルギーの人の
中に
アトピー性皮膚炎を合併することもあるという意見です。
皮膚科医は、反対に
アトピー性皮膚炎の人の中に
食べ物アレルギーを合併することもあるとの認識です。

意見の食い違いは、小児科の先生方は食べ物で何らかの
症状が出た幼少児を見る機会が殆どで、皮膚科に来院する患者さんは、
皮膚炎が出た患者さん(子供と大人)が殆どだからです。

受診する
患者群が異なるので受ける印象にずれが生じているのだと推測されます。

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