ブフェキサマク(アンダーム軟膏)販売と国別アトピー性皮膚炎有病率

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国に依ってアトピー性皮膚炎の診断も異なっていますが・・
Williams Hの報告は、アンケート方式で痒みを伴う皮疹と
典型部位への皮疹の有無の判断に留めています。
ブフェキサマクの販売状況は2番目の文献が時点のもので現在・過去の状況と国々での使用実態も不明です。
アトピー性皮膚炎有病率はブフェキサマクの販売の有無に関係なくいわゆる先進国に多いと思われます。
特にアジア地区では、ブフェキサマクの販売の有無に関係なく
日本でのアトピー性皮膚炎の発生が際立っていることが興味深いことだと思います。
日本だけではなくいわゆる先進国でのアトピー性皮膚炎に対する考え方・
一般的な治療に問題がある可能性が考えられるので方向転換の必要があると思われます。
私のアトピー性皮膚炎に対する考え方は、
SDD(h)に含まれます。 治療例 

その他 ブフェキサマクに対する私の意見

★ブフェキサマク軟膏を特別に排除の動きは、アトピービジネスが行った
ステロイド軟膏を排除した動きに似たものを感じます。
副作用が全く出ない薬剤はありません。ブフェキサマクを外用薬の選択肢として残すことは必要だと思います。

★ブフェキサマク軟膏はかぶれ易い?添付文章:副作用 本剤(軟膏)では副作用の集計対象となった
8,002例中、146例(1.82%)に副作用が認められており、
その主なものは、発赤(0.74%)、そう痒(0.71%)、刺激感(0.57%)、丘疹(0.25%)、
熱感(0.14%)等であった。
接触皮膚炎(0.1%未満、重篤例は頻度不明)とあります。
5%軟膏であること考えると極端に多いとは言えません。

★ブフェキサマク軟膏の重篤型薬疹とされているAGEPは・・
調べえた限り、2施設から2〜3例の報告がありますが・・世界的には1例あるだけです。
AGEPは重症型薬疹様ですが予後は悪くありません。
感染症後発症していますのでブフェキサマクが直接の誘因かどうかは判断が難しいところです。

★ブフェキサマクは自然免疫に抑制して、感染を誘発する?ステロイドは
自然免疫・獲得免疫・プロスタノイド系・蛋白合成などにも作用してbroadに(幅広く)抑制しますが、
ブフェキサマクの外用薬の免疫抑制は、ステロイド軟膏と比較すると
限定的で明らかな抑制は臨床的には認められません。
免疫抑制作用はもっと弱いステロイド外用剤よりも弱いと推測されます。

★ブフェキサマクは主にプロスタノイド系に作用する薬剤で、
反応系に個体差が多くアスピリンショックの様に激しい反応が出る人から全く反応が出ない人まで
バラエティに富んでいます。ブフェキサマクもバラエティに富んだ反応も出ると推測されます。
非ステロイドの内服で蕁麻疹が誘発される人も稀にいますが殆どの
人は非ステロイドで蕁麻疹が誘発されず解熱・鎮痛・抗凝固剤として恩恵を受けています。

★機序は不明ですがブフェキサマク軟膏とレスタミン軟膏を合剤にすると明らかに痒みに対する効果が増強される人がいます。副作用に注意しながら怖がらないで使用するとアトピー性皮膚炎など湿疹群の痒み止めとして有効な武器として使えます。

 

 

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